前作のアルバム「大人幻想」を製作して後に最初にできた曲がこの曲でした。 置かれている環境、状況によって趣味嗜好が変わるものだと思いますが、私もアルバムを製作してからそのような状況の変化がありました。 作曲スタイルも今までギターで作曲していたのが主体だったのがピアノでも作曲するなど、変化している時でした。それはテレビの企画で阿佐ヶ谷姉妹さんに歌っていただく盆踊り「阿佐ヶ谷音頭」を依頼いただき曲を作ったのですが、この曲をピアノで製作できたということもあり、自信をつけることが大きかったです。どうしても自分の作る曲に「飽き」が生じるのは仕方ないことで、ピアノという武器ができたのはとてもフレッシュなことでした。ピアノで弾くと、今までの手ぐせで引いていたギターコードに囚われなくなったのです。自分の今までのメロディ感とは異なる音楽ができてとても楽しかったことを覚えています。とはいえ、メロディは半分頭の中で考えているようなものですので、自分色に染まってくるのですが、そのバランス感も個人的には気に入っています。 誰しもが、誰かに「憧れる」ものだと思います。憧れて自分も同じ状況になりたいと求めれば求めるほど自分を見失い迷路にはまってしまいます。私もこういう誰かのようになりたい、その人の行動やかっこいい言動を真似たりしてしまうことがよくあり、周りに流されやすい性格です。自分はなんなのか空虚に陥ることが多々ありました。最近はそんなことは考えないようにと意識はしているのですが、うまくいかない瞬間、悩んでいる瞬間は他人を羨ましくなってしまいます。そうした葛藤をベースに表現してみました。