広大、悠久をも宿す先進の未来的スタイル。 シンセ、デジタルサウンドを基調にリアルなオーケストレーションが重なる規格外サウンド。 変幻自在の声、意表をつく展開。 斬新、先鋭でありながら心を揺さぶるメロディーと歌詞表現は健在。 前作の実験的な作風からヒラサワ的基本に立ち返り、熟成と深化を経て新たな段階に踏み出したヒラサワ節オンパレードの作品。 1「アディオス」は、自ら打ち込んだドビュッシーの楽曲を切り刻み、反転、位置転換が施されたモダンなサンプリングサウンドにコブシの聞いた民族的シンセが重なるイントロ。ヒラサワ節の意表をつく展開を経て独自の"騙し絵奏法"によるギターソロ。そして定番ヒラサワ的サビへと流れる先進ポップ作品。 10「ホログラムを登る男」は、電子音とオーケストラによる大作。映画音楽を思わせる壮大さとスリル間。中盤のオーケストラによる圧倒的威圧感から、終盤の大解放へと向かうドラマチックな作品。